隣国、中国の「驚愕!」の取り組み

イノベーションによる経済成長

これまでは“世界の工場”でしたが、これからは“世界の研究所”となり、イノベーションによって経済成長をさせようとし、高学歴な人を増やそうとしたのです。

しかし多くの中国の人の考え方は昔と変わってなく、「大学を出たらホワイトカラーのいい仕事に就いて幹部になるんだ!」と考えているのですが、現実は大卒が多すぎて思う仕事になかなか就けないんですよね。

昔から「学歴競争を勝ち抜いてエリートになるんだ!」というカルチャーが根強く残っているのです。

この大学受験に向け小学校から始まる受験戦争の熾烈さがあります。

熾烈な受験戦争

中国の公立校では、子どもの毎日の勉強と宿題に責任を持つのは親の役目とされているそうで、なんと、中学生になった後でさえその日の宿題リストと前日の宿題完成状況やテストの結果が親のスマホに毎日送られてくるそうです。

テストの成績が悪いと、先生は即座に親を呼び出すのが普通だそうで、反抗期で扱いにくい子どもに付きっきりで宿題を監督しないといけないそう。

大量の宿題をめぐって親子が揉める「宿題事件」が発生し、社会問題として注目を浴びるようになってきたそうです。

子どもの宿題を手伝う。これはどこの国でもあると思いますが、中国でのこの傾向は子どもが一人しかいない親に顕著で、「後にも先にもこの子だけ」と思い詰めやすい傾向があるようです。

こんな状況ですので、近隣同士で夜になると小学生の子どもに勉強のことで激怒している母親の声が聞こえてくると。

要するに親にとって小中学校の宿題が多すぎて、その指導に手間がかかりすぎることが子育てでの負担のひとつと、中国国内では認識されるようになっていたのです。共働きが多い中国ではその分を塾講師に託す家も多く、塾産業は学歴社会の圧力下で急速に発展していました。

こうした背景の下で政府が立ち上がったのが、この宿題負担の軽減と校外教育の削減という2つだったということです。

こうして2021年夏に出された同政策により、小中学校の学習塾は一斉に閉鎖されました。前述の数兆円規模の雇用も一気に消えてしまったわけです。

ただ、学習塾は禁止されたけど、小中学校の学科以外の塾は規制外のようで、早速高校統一試験で配点数が増えた体育の実技テスト対策の塾も最近増えているそうです。

必要ではありますが、どこまでいっても教育、また教育の中国。体育までもが偏差値評価されて塾通いが流行るんだから、小中学生は本当に大変ですわー。

こんな学歴競争社会の中国。

都市と農村の文化的な差はヨーロッパなら異国に相当するくらいの差があります。

人口減少が進む中国であっても、人口は2,188万人が住む北京市だけで既に、1,744万人のオランダ一国以上の規模になっています。

中国の都会で働く若者たちは、それぞれ学歴競争に揉まれて立派なキャリアを積み重ねてきた人たちがたくさんいます。

そんなキャリアを積み重ねて、いい出会いがあり結婚して子どもが生まれたら、共働き夫婦は一般的にはみな「親に見てもらう」そう。

お金持ちは子育て専用のお手伝いさんを頼む人もいるそうですが、若い夫婦だけで1人の子どもの面倒をみるという選択肢はないようです。

日本の夫婦なら、子ども2人を夫婦で育てることは文化的に普通だと考えられるのではと思いますが、中国では1人の子どもに対し、大人複数で面倒をみるのが当然になっている。中国では、お母さんが子どもを2人連れて歩くだけで褒められることもあるというのだから驚く社会構造になっています。

両国間の関係性

今回、異国の現状を色々知って驚愕することがたくさんありました。

隣国である中国は、日本と地理的にも文化的にも近い関係にあると思います。

昨年「日中国交正常化50周年」となりました。

習近平国家主席は両国の関係について、「共通認識により各分野での交流と協力を絶えず深め、地域および世界の平和と発展を促進してきた」と評価しました。

現在、東京電力福島第一原発の処理水放出をめぐり、今後の両国間の関係性が左右されるような発言や制裁が発表されてしまっていますが、今後も隣国として協力し発展していくことがとても重要じゃないかと感じています。

今後も世界の経済や文化に目を向けて、いい考えはどんどん取り入れて糧とし、皆さまのお役に立てるよう何事にも全力で取り組んでまいります。

引き続きパソピアをよろしくお願い申し上げます!

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