働くって何だろう
20代前半の頃、もっと働く時間を増やして稼いでお金を貯めなきゃ、とすごく思っていました。
体力は無限にあるのに、一日は24時間しかないし最後は寝ないといけないから結局そんなに働けないなぁ。どうしたらいいのか?働くっていったい何なんだろう。モヤモヤしながらも稼ぐ手段として学生の時はアルバイト、社会人になってからは仕事と向き合う日々だったように思います。
年々仕事に対する価値観が変わってきました。
もちろん体力は無限ではなくなりました。睡眠の大切さについては年々必要性を感じています。
最近では仕事をしていると、人と話すことができるのが一番有難いと感じます。もし社会に触れていなかったら人との関わりがない人生。在宅勤務しかしないのは私には合ってない働き方ですかね。40代の私でもこうやって感じますが、70代になっても働く人々は出社すれば人との関わりがある、健康管理に仕事が役立っている、などと働くことにメリットを感じているようです。
このように、「働くということ」は人生において非常に重要なことであることは間違いありません。
人材に関わる仕事柄、私たちは日々「働くことの意味」について考えさせられます。
働くとは、自分の生活の糧を得るためであると同時に、誰かの役に立つことでもあります。後者の「誰かのために」という視点は、まさに弊社のスピリットである利他の精神であり、脳科学的に見ても非常に大きな価値を持っています。
1. 「誰かのために」は脳の報酬系を活性化する
私たちの脳には「報酬系」と呼ばれる仕組みが存在します。これは良いことをした時や達成感を得た時にドーパミンが分泌され、喜びや充実感を感じる神経回路です。自分のためだけに成果を得るよりも、誰かに感謝されたり、誰かの助けになったと実感した時のほうが、より強く報酬系が活性化されるという研究が数多く報告されています。
私自身の思い出ですが、学生時代のアルバイトのときなど、お金をいただく立場でありながらお客様から
ありがとうございます
と言われた瞬間に、なぜお金をいただく方なのに「ありがとう」と言ってもらえたのだろう、それってすごいことだなー、こちらが有難いだけじゃないんだ、不思議な感覚だけどすごく何か大きな喜びだなーと感じていました。今思い出してみると、あの頃に感じた嬉しさは、働くことが単なる収入の手段だけではなく、誰かの役に立つ行為そのものが人生にとって貴重であるということです。
また、社会人になってからはお得意先様にとって難しい課題を、自社の経験や設備、知識や人材を駆使して解決できた時には、何か感じたことがない喜びと自信を得られました。こうした体験は、働くということが人生の中で欠かせない価値ある営みであることを実感させてくれます。
哲学者のアリストテレスは
人は自分のためだけでなく、誰かのために生きる時に最も幸福である
と説いています。脳科学の視点は、この古代の言葉を裏付けるものと言えますよね。
2. 「利他の行動」がストレスを和らげる
現代社会、仕事や生活には常にストレスがつきものです。
しかし興味深いことに、利他的に行動すること自体がストレス軽減につながることが分かっています。脳科学的には、他者を思いやる行動をとると「オキシトシン」と呼ばれるホルモンが分泌され、安心感や信頼感が高まります。
例えば、弊社で働く派遣スタッフの方が
周りのメンバーを手助けすることで、逆に自分の気持ちが楽になった
と話してくださったことがありました。これはオキシトシンが作用している瞬間です。
心理学者ウィリアム・ジェームズも
人が最も幸福を感じるのは、自分が他者に必要とされているときだ
と述べています。
利他の精神で動くことは、心身を健やかに保つ科学的な秘訣でもあるのですね。
3. 自己肯定感の源泉となる
誰かの役に立った経験は、私たちの自己肯定感を大きく高めてくれます。
人は「自分の存在が誰かの助けになっている」と実感できた時に、自分の価値を強く感じることができます。
脳科学的には、こうした経験は前頭前野や帯状皮質といった「自己に関わる情報処理」を担う領域を活性化させ、長期的なモチベーションの維持に役立つことがわかっています。
以前、派遣スタッフの方が
お客様から『あなたに任せてよかった』と言われたときに「疲れが吹き飛んだ」
と言ってくれたことがあります。
このような体験が自己肯定感を支え次の挑戦へとつながります。利他的な経験が、自分を肯定する強い基盤になります。
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