世界のビッグマックって高い!!

私の学生時代のアルバイト

「いらっしゃいませー!こちらへどうぞー!」

「オーライ、オーライ、オーライ、オーライOK!いらっしゃいませー!」

「こんばんはー!」

威勢のいいかけ声です。学生時代の私のアルバイト先での接客です。そうです、ガソリンスタンドです。

最近はセルフ給油のガソリンスタンドばかりになってきましたが、当時はフルサービスのスタンドばかりで、接客も随分と洗練された対応でした。

スタート時の時給は750円

私が経験させていただいたアルバイト先では、何ヶ月かすると、ガソリン給油以外のケミカル商品や洗車などを接客して販売すると各担当別に実績が集計され、月間で自分の時間給×労働時間より高くガソリン以外の商品や作業を販売したアルバイト従業員は、翌月の時間給が50円アップする仕組みでした。もちろん達成できなければ翌月の時間給が50円下がってしまいます。

最低は750円、最高時給は1,250円と、その差なんと500円!

これはやるしかない!と、私は俄然やる気になり、

「次の来店の接客は僕が行くー!」

と社員の方に譲っていただいて、指名してくださるお客様ができたり、とても楽しく働かせていただきながら、あれよあれよと最高時給に到達!

学校が終わったらとにかくアルバイト!となって週6日働かせてもらっていました。

現在のセルフ式給油では、ガソリンスタンドでオイル交換やタイヤ交換を申し付けする人はすごく減少したのではと思います。

街角で見かけた求人

先日、名古屋駅近辺で貼りだされている店舗の求人情報を見ていました。

  • 時給1,100円~1,350円
  • 時給1,200円~1,500円

この10月からの三重県とお隣の県の愛知県との最低賃金の差は54円(/h)です。

飲食店や物流現場、各職種でのアルバイト求人は現代を象徴する時給設定や内容になっています。私が大学生の頃の一般的なアルバイト求人とは大きな差があります。そこから日本は徐々に徐々に賃金を上昇させる政策を行ってきました。

この最低賃金の上昇は、企業にとっても働く人にとってもメリット、デメリットがあると思います。

最低賃金上昇のメリット・デメリット

企業にとって”高い給与を支払う”ということは、自社の魅力を高め、採用競争において優位に立つことができるメリットがあります。また、優秀な人材の確保と維持適切な賃上げで、優秀な人材を引き留めるための重要な要素にもなっています。

従業員にとっては、”自分の貢献が正当に評価されている”と感じられるメリットがあり、仕事へのマインドが向上するので、生産性の向上や業務の効率化にもつながります。

逆に企業にとってデメリットは、賃上げに伴って人件費が増加します。特に小規模な企業にとっては財務負担が大きくなり、経営の安定性に影響を及ぼす可能性もあります。

また人件費の増加が製品やサービスの価格に反映される場合、競争力の低下や売上の減少を招くことがあります。価格転嫁が難しい市場では、企業の利益率が圧迫されることもあります。

また働く人にとってのデメリットは、世の中全体が賃上げを実施する場合、不都合なことに賃上げをしても企業が労働コストの増加を販売価格に転嫁することが考えられるので物価が上昇します。結果的に実質賃金は上がりにくい。賃上げのパラドックスです。

会社も従業員も、年収の壁を気にして働けなくなる人がでてきたり、壁を超えて働くケースに対しては社会保険料の負担が発生したり、税金が増額したり、国の策略のままに行動せざるを得なくなり、狭間にいる人やパートアルバイト従業員が多い企業にとっては年末になると社員にしわ寄せがいったりして難しい選択を強いられています。

賃上げと同時に考える必要あり

ここで重要になるのは、賃上げと同時に就業者1人当たりの生産性を上昇させることです。

手作業のものをいかに減らして仕組みで動かすか等々、打つ手は無限にあるはずですが簡単ではないこともたくさんあります。

小規模な企業では、最低賃金も支払えず経営が成り立たずに倒産する企業も出てくると考えられています。

事実、商売はお客様を獲得してなんぼの世界ではありますが、時代的には採用や雇用維持が出来て成功の部分も大きくなっています。最低賃金以上の、もっと高い給料が払える、生産性向上を実現できる仕組みを持った会社を作っていく必要があります。

どうやって少ない人数で利益を上げ人件費に還元していくのかを考えて、戦略的に企業活動をしていかなければなりません。

発生した日本経営の歪みをあらわす「ビッグマック指数」

「ビッグマック指数」はご存知でしょうか?

「ビッグマック指数」とは、イギリスの「エコノミスト」誌が発表している購買力調整済みの物価指数で、ビッグマック1つがいくらするのかを表しているとして、よく知られています。

ビッグマックが注目されるのは、大きさ、材料などが決まっているので、国際比較がしやすい商品と考えられているからです。実は、日本のビッグマックはタイより安く、2024年のビッグマック価格ランキングで、タイは570円、日本では480円になっています。

これは途上国並みの安さです。

材料などは同じなのに、なぜそれができるんでしょう。日本は不動産も高いし、電気も高い。材料もタイより安いはずがありません。利益を削ってそこまで安くすることは不可能なので、理由は最低賃金が安いことに尽きると思います。

ちなみに2024年のビッグマック価格ランキングで一番高いのはスイスで、1つ1,214円だそうです!高い!

最低賃金が低いことは、もはや世界からしたら日本の「美徳」ではなくなったと考えるべきで、時代錯誤だと考えるべきでしょうか。

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