この夏、言葉の扇風機を回そう!

コミュニケーションのある風景
この夏、言葉の扇風機を回そう!

「いや〜、しかし暑いですね!朝から外で話しているだけで汗だくです」
「ほんとですね。車に乗った瞬間、サウナやなぁと毎回思いますもんね(笑)」
「でもなんか、夏って嫌いじゃないんですよね。開放的で、気分がちょっと上がるというか」
「分かります!長期休暇も近いし、お祭りや行事も多くて、人が集まるタイミングが増えるじゃないすか」
「はい。でも人と言えば正直職場の人間関係では、“頑張ったね”とか“評価してるよ”みたいな言葉があると、もっとやる気出るんですけどね」
「……お、それはいいヒントかも。実は今月のブログ、“あなたが思う以上に、人はフィードバックを求めている”っていうテーマにしようと思ってたんですよ」

というわけで今回は、「フィードバック」について、経営の立場から改めて考えてみたいと思います。

「言葉がけひとつ」で人が伸びる

人は、評価されたいと思っている。これは単なる“承認欲求”ではなく、自分の成長や貢献が「ちゃんと認識されているかどうか」を確認したいという、健全な社会的欲求でもあります。

特に、最近の若い世代ほど、「評価の可視化」「具体的な言語化」を求める傾向が強まっています。漠然とした“空気”より、明確なフィードバックが自分の存在価値や次のステップを後押しするのです。

たとえばこんな言葉が、それを叶えてくれます。

・今月の数字、営業のなかで一番伸びてるね。努力の成果が出てきた
・この製造レポート、改善点がよく見えてる。周囲にもいい影響を与えてるよ
・クライアントから“説明がわかりやすかった”って声があったよ
・さりげなくフォローに回ってくれてるの、ちゃんと見てるよ

どれも、具体的な行動+価値への言及が入っています。単に「ありがとう」「よかったよ」だけではなく、「何が良かったか」を含めることで、相手の脳にダイレクトに届きます。

脳科学が示す、言葉の力

こうしたフィードバックの効果については、近年の脳科学でも明らかになってきています。

何度か以前の記事でも触れたことがあるとは思いますが、人が前向きな言葉を受け取ると、脳内では「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されます。これは、喜び・やる気・意欲を引き出す物質であり、「報酬系」と呼ばれる脳のネットワークを活性化します。

特に、「あなたのこの行動がよかった」という具体的なフィードバックがあると、その回路がより強く刺激され、「またやりたい」「さらに改善したい」という気持ちが自然と湧いてくるんです。

逆に、評価がない・沈黙が続く・否定が多い環境では、この報酬系の働きが弱まり、創造力や挑戦意欲が萎んでいくことも知られています。

偉人たちも語る「フィードバックの本質」

このような“言葉の力”については、古今東西の偉人たちも強く語っています。

・最も深い人間の欲求は、“認められたい”ということだ
  -ウィリアム・ジェームズ(心理学者・哲学者)
・人を動かすのは、論理ではなく感情であり、感情を動かすのは言葉である
  -デール・カーネギー(人間関係の研究者)
・励ましの言葉は、小さな光。だがそれが、長い闇を照らすこともある
  -マザー・テレサ(カトリック修道女)

人を突き動かすのは、たったひと言の“声かけ”かもしれません。

特に私たちのように、企業様の人材ニーズをお聞きし、求職者の方々の働きたいをマッチングする事業に携わり、人との関係性で成り立ち、お互いに支える立場にある者にとって、日々の言葉がどれほどの影響を与えているか。改めて意識していきたいところです。

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